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会議概要(H30年度)

平成30年度木材利用推進「全国会議」を開催しました

 平成30年度木材利用推進「全国会議」―木の街づくりの推進に向けてーは、平成30年11月28日(水)13:00〜17:00、木材会館7階ホールにおいて、木材関係業界のほか、建築設計、住宅産業関連等幅広い業種の方々を含め、総計150名の参加者を得て盛会裏に終了しました。
  ここに関係各位の皆様に厚くお礼申し上げます。
  また、木材利用優良施設の表彰式においては、内閣総理大臣賞、農林水産大臣賞、林野庁長官賞及び木材利用推進中央協議会会長賞、審査委員会特別賞の授与が行われました。


全国会議次第

〔概要〕
注:講演データは、このページで公表します。
木材利用推進中央協議会鈴木会長挨拶
 
 来賓挨拶
林野庁林政部 木材利用課長 長野麻子 氏
  来賓挨拶 国土交通省 住宅局住宅生産課
   木造住宅振興室長 成田潤也 氏


〔1〕 公共建築物・街づくり等木材利用推進の取組み
 (1)国の施策・取組み
  (1)都市部における木材利用の推進
 林 野 庁 林政部 木材利用課長 長 野 麻 子  氏
〔発表項目〕
1.林業・木材産業の成長産業化に向けて
川上の原木生産の集約・拡大(集約面積3割→5割)
川中の加工(製材・合板工場等の大規模化・高効率化)の生産性向上(コスト2割削減)
川下の木材需要の拡大・利用促進のための環境整備、外材・他資材からの代替需要の獲得、バイオマス利用の促進、輸出促進

2.公共建築物等における木材利用の促進に向けた取組について
公共建築物における木材利用促進法の概要、木材を活用した公共建築物の事例、都市部における木材利用の可能性、民間事業者等が整備する公共建築物への木材利用の促進、木造公共建築物誘導経費支援事業報告書(H28、29年度)、CLTの普及、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした木材利用の促進、木材利用促進に向けた自治体の取組事例、
等について報告。

〔発表データ〕

(参考:林野庁の「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」のページ
 事例集はこの中にあります。)
 http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/index.html



(2)公共建築物における木材活用の推進
国土交通省 大臣官房官庁営繕部整備課木材利用推進室長 中 山 義 章 氏
 
〔発表項目〕
 (1)国土交通省(官庁営繕)の役割
  ・国の施設における国土交通省の役割
 (2)国土交通省(官庁営繕部)の取組
  ・公共建築物の木材利用の促進に関する取組
  ・各省庁の営繕計画の確認(木造化に関する意見の付与)
  ・木材利用に関する技術基準の整備・普及
  ・予算要求単価の整備(木造建築物・木質化)
  ・木造計画・設計基準(平成29年3月改定)
  ・木造事務庁舎の合理的な設計における留意事項(平成27年5月)
  ・官庁施設における木造耐火建築物の整備指針(平成25年3月)
  ・耐火部材の開発状況
  ・公共建築木造工事標準仕様書(平成28年4月改定)
  ・「建築物等の利用に関する説明書」作成の手引き(H28.12)
  ・木材を利用した官庁施設の適正な保全に資する整備のための留意事項(H29.7)
  ・公共建築物発注者向け「木材利用推進研修」
 (参考)官庁施設の木材利用の事例
 等について報告。

〔発表データ〕


(参考:国土交通省の「官庁営繕における木材の利用の推進」のページ)
  http://www.mlit.go.jp/gobuild/mokuzai_index.html


  (3) 木材を活用した学校施設づくりの促進
 
文部科学省 大臣官房文教施設企画・防災部 施設助成課課長補佐 原 誠史 氏

〔発表項目〕
 学校施設における木材利用の意義と効果、学校施設における木材利用の促進、公立小中学校建物の経年別保有面積、公立学校施設整備における木材利用状況、これまでの取組、全国に広がる木の学校事例集(平成26年7月公表)、木の学校づくり―木造3階建て校舎の手引の作成、木の学校づくり先導事業の事例、木材利用に活用できる補助制度、CLT活用事例、CLT活用促進のための政府一元窓口等について報告。

〔発表データ〕

(参考:文部科学省の「学校施設における木材利用」のページ)
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/mokuzai/1284978.htm


〔2〕木の街づくりへの取組み事例
木とともに生きる梼原人物語(木の街づくりを目指して)〜考え方を変えよう〜
  講師 前 梼原町長 矢 野 富 夫 氏
 
〔略歴等〕
  略歴
   1954年生まれ
   1973年 梼原町役場奉職
   1996年 産業建設課長
   1998年 総務課長
   2001年 梼原町助役就任(H19年4月より副町長)
   2009年 梼原町長就任
   2017年 梼原町長退任

  主な役職
   前株式会社南国ミロク取締役
   前高知県水源林造林協議会会長
   前公益社団法人全国国民保険診療施設協議会理事
   前全国森林環境税創設促進連盟副会長
   前一般社団法人日本森林林業振興会評議員
   前一般社団法人福祉自治体ユニット「人口減少に立ち向かう自治体連合」副代表世話人
   前内閣府「地域の課題解決のための地域運営組織に関する有識者会議」委員

〔講演要旨メモ〕
 高知県の梼原町は、愛媛県境にあり、町面積の91%を森林が占め、標高1455mにもなる雄大な四国カルストに抱かれた自然豊かな山間の小さな町であるが、「自立」を目指して、2020年に向かって、「梼原町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を作成し、梼原の生きる仕組みづくりを策定するなど、段階的に地域活性化に取り組んでいる。
 最大の地域資源である森造りのため、林道、作業道等「みちづくり」、鎮守の森づくり条例(H7)、森林づくり基本条例(H12)、四国初の森林セラピー基地認定(H19)、木質バイオマス・ペレット工場稼働(H20)、協働の森づくり事業・6社と提携(H17~)、1ha当たり10万円を交付する水源地域森林整備(H13~)、森林づくり担い手育成塾(H27)などを行っている。環境対策では、風力発電による売電益の活用、森林資源の循環利用、森林セラピーの取り組み、モデル住宅によるLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅の普及促進、町産材やエネルギーの積極的利用など、また、まちづくりの整備では、建築家の隈研吾氏が設計した雲の上のホテル・レストラン・図書館など6施設があり、まちの駅、雲の上のギャラリーやプール、牛畜舎にも地元の木材を活用している。
 また、世界初のジビエカー導入による害獣肉の有効活用、妊娠から子育てまで、12年にわたる支援の仕組みづくり、生きるための不安の各種解消対策等により、人口減に歯止めがかかりはじめている。自治体も時代の変化に合わせた現在進行形の対策を行えば活性化が可能であることを報告。

(参考:梼原町のホームのページ)
  http://www.town.yusuhara.kochi.jp/

〔講演データ〕

〔講演後の追加データ〕
林業と農業等との複合経営により、所得が800万円あまりの例もあるなど、具体例について資料をいただきました。


 〔3〕「地域木材資源でつくる公共空間と風景」
講師 東京大学大学院工学系研究科 安 原 幹 准教授
   株式会社SALHAUS 共同代表
 
〔略歴等〕
  1972年 大阪府生まれ
  1996年 東京大学工学部建築学科卒業
  1998年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了
  1998〜2007年 山本理顕設計工場 勤務
  2008年 SALHAUS設立、共同代表
  2011〜2018年 東京理科大学理工学部 准教授
  2018年〜 東京大学大学院工学系研究科 准教授

 主な受賞歴
  2017年 グッドデザイン賞 金賞(陸前高田市立高田東中学校)
  2017年 木材活用コンクール優秀賞 林野庁長官賞
  (陸前高田市立高田東中学校)
  2015年 日本建築学会作品選奨(群馬県農業技術センター)
  2014年 グッドデザイン賞ベスト100(tetto)
  2014年 JID賞ビエンナーレ 大賞(扇屋旅館)
  2014年 木材活用コンクール最優秀賞 農林水産大臣賞
  (群馬県農業技術センター)
  2014年 東京建築士会・住宅建築賞(西麻布の集合住宅)
  2014年 BCS賞(群馬県農業技術センター)

〔講演要旨メモ〕
SALHAUS は、2008 年に 3 人のパートナーで活動をはじめ、10 年目を迎える。個人住宅から集合住宅、公共建築物まで、幅広い建築物の設計を手掛けてきたが、その約6割が木造もしくは木造を含む混構造の建築である。独立当初は木造の戸建て住宅からスタートしたが、横浜市の伊勢佐木町商店街で手掛けた木造ライブハウス「CROSS STREET」(2010)をきっかけとして、その後「群馬県農業センター」(2012)、「陸前高田市立高田東中学校」(2016)、「銚子信用金庫清川町支店」(2015)、「JAクレイン禾生支店」(2017)、「ティンバード・テラス」(2017)、「大船渡消防署住田分署」(2018)など、公共性の高い木造建築物を数多く手掛けて きた。

 ・群馬県農業センター(2012)
木でつくる大きなテントの下に人々が集まるイメージをもとに設計を行った。 軸方向に張力を導入することで、スギの小断面製材を利用して大スパン空間を得る「格子膜構造」を実現した。

・陸前高田市立高田東中学校(2016)
東日本大震災で大きな被害を受けた地域に計画された統合中学校のプロポーザルにおいて、大きな木の屋根の下に人々が集まる中学校を提案した。群馬県農業技術センターで採用した構造形式を発展させ、地元の気仙杉を利用して復興のシンボルとなる木の大屋根を実現した。1 階は運動場と連続した普通教室を配置、アクセス階となる2階には地域開放が予想される諸室を配置し、地域に開かれた学校とした。

・ティンバード・テラス(2017:石川県小松市)
スギCLTパネル(直交集成板)を床、壁に使用した木造3階建て集合住宅。燃え代設計を行うことでCLTを表しの住空間
を実現。軸組構法とCLTパネルを組み合わせることにより、各住戸がすべて異なるプランを持つ「自由な平面計画」を実現している。

・大船渡消防署住田分署(2018)
伝統的な「貫構造」を現代的に再解釈し、金物を一切使用しない木造ラーメン構造による庁舎建築を実現した。「森林・林業日本一の町を」標榜する地域において、大量の木材を使用することを前提に構想した構造形式である。

〔講演データ〕

(参考:株式会社SALHAUSのホームのページ)
   http://salhaus.com/company/




推進活動宣言


木材利用優良施設の表彰式概要


•表彰施設の概要
 http://www.jcatu.jp/news/files/20_file.pdf